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中国という巨大国家に身体ごと入って行くのが目標

香港支局光永 貴子

2014年入社/文化構想学部卒
社歴
2014年4月~17年10月 京都総局
2017年11月~18年11月 本社編集局社会部
2018年12月 香港支局
光永 貴子:プロフィール写真

先輩インタビュー

Q 現在の主な仕事は何ですか?

香港特派員として、香港・マカオや中国南部で起こったニュースを日本の読者に届けています。現地の日系企業向けに配信している経済専門のウェブコンテンツもあり、その編集作業が仕事の大きな比重を占めます。
企業人に役立つ細々とした経済ニュースの翻訳など地味な作業が多く、日常的には華やかさはあまりありません。一方で、中国の国会に当たる全国人民代表大会や4年に一度の台湾総統選では北京や台北に出張するなど、国際政治の大舞台を目の当たりにする機会もあります。
時事通信は多くの海外支局を持っていますが、そのほとんどが記者職は1人のみという布陣で、国内の地方支局も同様です。香港も例外ではなく、心身の健康維持も重要な仕事です。

Q 忘れられない経験は何ですか?

2019年6月、香港で身柄を拘束した容疑者の中国移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発した反政府デモが始まりました。最大規模のデモには、主催者発表で200万人が参加。摩天楼の間を埋め尽くした群衆の列は、10時間近く途切れることがありませんでした。
幹線道路をバリケード封鎖し警官隊に火炎瓶を投げるデモ隊に、大量の催涙弾が撃ち込まれる―。そんな光景が年明けまで無数に繰り返されるようになり、いつでも現場に駆け付けられるよう、職場と自宅にガスマスクとゴーグルを常備し取材に当たりました。当初は「距離の取り方」を分かっていなかったため、催涙ガスを直接吸い込み、あまりの苦しさに道ばたで動けなくなったこともあります。
取材を通して、デモの背景が条例改正への反発や単純な「自由と民主」への希求だけではないことが、徐々に実感されました。大量に流入する中国人観光客への不満や、返還後20年以上にわたって蓄積されてきた漠然とした将来への不安、過剰な取り締まりを続ける警察への憤り―。さまざまな要素が混然一体となり、巨大な「NO」の声に結実していました。
「中国から入ってくるものは全て悪だ。拒絶の意志を示さなければ」。若いデモ参加者の極端とも取れる言葉には、現状への強烈な怒りがにじんでいました。

Q おおまかな一日のスケジュールを教えてください

光永 貴子さんの一日

9:30
出社。地元紙10紙を読み比べ。現地スタッフと相談しながらその日のウェブコンテンツへの出稿メニューを決定する。
10:00
記事執筆やスタッフの翻訳原稿の添削。日本の夕刊締め切り時間が過ぎるまで、現地メディアの速報には特に注意する。
14:00
ランチ。香港の会社は午後1時から昼休みに入るため、混み合う時間を避けて支局周辺の食堂やカフェへ。
15:00
記事執筆。デモが起こる日は午後から夜にかけて人が多く集まるので、状況を見ながら現場へ向かうことも。
18:30
翌朝配信のウェブコンテンツの記事編成を決定し、本社にメール送信。
19:00
退社。

Q 余暇はどう過ごしていますか?

行ったことのない観光地や気になる飲食店を巡っています。職場と自宅の距離が近く、ぼんやりしていると半径1キロ以内で生活圏が完結してしまうので、なるべく外に出るようにしています。香港というと天を突くビル群のイメージですが、中心部からフェリーで30分程度でのどかな離島へ行くこともでき、トレッキングコースも豊富で、意外なほど多様性に富んでいます。帰任までに当地の景色を隅々まで目に焼き付けておきたいと思います。