普通に生きていれば絶対に会えない人と日々触れあう
運動部林 拓斗
- 社歴
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2017年1月~18年1月/編集局政治部
2018年2月~20年1月/金沢支局
2020年2月~/編集局運動部

先輩インタビュー

Q 現在の主な仕事は何ですか?
主に大相撲を担当しています。年間6回、(それぞれ)15日間ある本場所を連日取材するほか、合間にある行事や(コロナ禍でなければ)巡業、稽古などを取材します。一般人の倍以上の質量がある、ちょんまげを付けた力持ちという、普通に生きているだけでは絶対に会えない人と日々触れあっています。
相撲は早ければ1秒、どんなに時間がかかっても数分で白黒がはっきりつきます。瞬発力は欠かせません。一方で、長い歴史の中で培ってきた文化、独特なしきたりなど、知らなければならない知識がたくさんあります。原稿の中に必要な要素は何なのか、抽出する応用力も求められます。勉強の毎日です。
また、スポーツとしてではなく神事の側面も。古来より続く作法や装束などに日本文化が色濃く残ります。雪駄でアスファルトをこする音、ビルの合間を漂うびん付け油のほのかに甘いにおいに、相撲が積み重ねてきた道のりを感じています。
Q 忘れられない経験は何ですか?
スマホを見ながら下を向いて歩いていたら、視界が真っ暗に。道に迷ったかと焦ったら、目の前に身長2メートル近く、現役時代は体重200キロを超えていた武蔵川親方(元横綱武蔵丸)がいたこと。子供の頃から応援していただけに、興奮しました。半分冗談ですが、どの部に行っても、その分野で期待を一身に背負っている人と会えるのが魅力でしょうか。
スポーツは、それを見る人にとってもプレーする選手本人にとっても、一日一日、瞬間瞬間が特別な時間だと思っています。なので、取材して伝えるこちらも一期一会。興奮する瞬間は毎日ありますが、努めて忘れて次の日に臨むようにしています。
Q おおまかな一日のスケジュールを教えてください
林 拓斗さんの一日
- 08:30
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国技館に到着。逐次休場者、休場理由を取材。加えてその日の取組で起こりうるストーリーを考えられる限り調べる。
例:宇良が照ノ富士に勝てば2個目の金星。御嶽海は1学年上の正代と大学時代にしのぎを削ったなどなど。
- 午後
- お昼を食べて、幕下の取組が始まると館内に入り、勝敗を確認。記録班に送る。
- 15:00
- 十両の取組が始まる。若手有望力士などに目星を付けて取材。中入り後は幕内力士を随時取材する。大体18時半には終わる。
- 18:30~20:00
- 相撲担当内で送稿メニューを相談し、原稿に取りかかる。どんなに遅くても20時までにはデスクに原稿を送らないといけないため、超特急で書く(そのために調べ物は午前中に終わらせる)。
- 21:00
- 原稿が流れたら念のため校閲し、帰る。
Q 休日の過ごし方を教えてください
自分も体を動かすことが好きなため、ジムに行ったり、多摩川や皇居に走りに行ったり。最近のマイブームは山を走るトレイルランニング。高尾山や丹沢に行って自然の中を駆け回り、爽快感を感じています。
雨の日は本をジャケ買いして読んでいることが多いです。「虫の目」だけではなく、「鳥の目」、「魚の目」を持って生きられるよう、興味がないジャンルや流行り物も読むようにしています。