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最新号 vol.121 2024/2
Index
イスラエルとの戦い、長期化へ サンプルあり
イスラエルは関係悪化も対立先鋭化望まず
弾圧強めるシシ大統領─エジプト
地政学的リスクが拡大
スエズ運河は紛争、パナマ運河は渇水で
大統領選予備選序盤戦の情勢 サンプルあり
アタル内閣と右傾化する政局 サンプルあり
上皇さま卒寿に当たって
中国は過去最低
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前例のない集中攻撃 2023年10月7日、ハマースは、突如イスラエルに対するミサイル攻撃を開始した。5000発というハマースの発表には誇張が含まれるだろうが、とにかく、前例ない集中攻撃には違いない。イスラエルにとって、さらなる驚きは、ハマースなどの戦闘員約1000人が陸上の境界や海岸からイスラエル南部に侵入したことだった。イスラエル国防省は、2021年末まで3年半を費やし、ガザ地域との境界壁を補強していた。高さ6メートル以上・延長65キロメートルの境界壁は、大量の鉄とコンクリートで固められた。多数のカメラやセンサーで地上・海上・地下からの侵入が探知可能とされた。しかし、イスラエルが誇る「スマート・フェンス」は、簡単に突破されてしまった。(続)
若林 啓史 (わかばやし・ひろふみ)
早稲田大学地域・地域間研究機構招聘研究員京都大学博士
アイオワ州、予想通りのトランプ勝利 米大統領予備選挙は、1月16日の共和党のアイオワ州党員集会で開始された。今年は、民主党が予備選の順序を大きく変え、現職のバイデン大統領の支持が強いサウスカロライナ州からスタートするため、序盤の予備選は共和党だけだった。 白人人口が多く、保守的な土地柄のアイオワ州での党員集会は、ドナルド・トランプ前大統領51%、ロン・デサンティス・フロリダ州知事21%、ニッキー・ヘイリー元サウスカロライナ州知事19%とトランプ氏が予想通りの勝利を収めた。ただし、豪雪とマイナス30度を超える寒波のため、全共和党員75万人中、参加者はわずか11万人であり、アイオワでの結果が他州にも続くとは言い切れなかった。(続)
渡部 恒雄 (わたなべ・つねお)
笹川平和財団上席研究員
人心刷新で人気回復狙う 1月9日、フランスではマクロン大統領がガブリエル・アタル前教育相を首相に任命した。アタル首相は34歳、第5共和制で最も若い首相になる。2006年、16歳の時に社会党に入党、政治に強い関心を持っていたが、フランスの多くの大統領や首相・閣僚を輩出しているパリ政治学院を経て、教育省に入省、2016年マクロン氏が大統領選挙出馬のために新党「前進」を立ち上げた時にはいち早くマクロン氏の下に駆け付けた。翌年6月、マクロン大統領当選直後の総選挙でマクロン派「共和国前進」の国民議会議員に当選(オー・ド・セーヌ県)、国民教育・青少年大臣付副大臣(2018~20年)、首相付副大臣、政府報道官(2020~22年)(続)
渡邊 啓貴 (わたなべ・ひろたか)
帝京大学法学部教授